ヒト・コト・ミライが交差するリアルプレイス

ト・ト・ミライが交差する
リアルプレイス

produced by amana

EVENT

KYOTOGRAPHIEが目指す、
アーティストと企業が
幸せになれるフェスティバル


出演者:ルシール・レイボーズ×仲西祐介


2018年1月17日(水) 17:00〜18:30

世界では写真フェスティバルが200以上も開催されているそうですが、まだまだ写真フェスのジャンルでは後進国である日本。その中で、ほぼ唯一の国際的写真祭として認知されているのが、KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭です。今年6年目を数え、年々規模も拡大し、共鳴する企業も増えています。もともとは、写真家であるルシール・レイボーズさんと照明家である仲西祐介さんのお二人がインディペントに立ち上げたイベントですが、なぜここまでのスピードでこれだけの規模に拡大し、少なからぬスポンサーを得ることができたのか。アートが社会や企業やひとびとに必要とされるこの時代に、KYOTOGRAPHIEの目指すところはなにか。ここまでに成長した経緯と推進し続けていく情熱の源泉について、仲西さんにお話を伺いました。


アーティストによる、アーティストのための写真祭

—そもそものKYOTOGRAPHIE立ち上げのきっかけは、なんだったんでしょう?

仲西:2011年に起きた東日本大震災です。日本がメディアコントロールされている状況に危機感を持って、自分たちのメディアを作って、日本や世界で起きていることを提示し、ディスカッションできるプラットフォームにしたいと考えたんです。日本だけではなく、世界がどういう方向に動いているのか、環境問題や社会問題などについても世界と対等にオープンに語り合える場が必要だったんです。

—それが、紙やデジタルのメディアではなく、写真フェスティバルという形をとったのが、非常にユニークです。

仲西:フェスティバルが、議論の場になりうると考えたわけです。ギャラリーに行かないような通りがかりの人たちまで大勢巻き込める。街に並べるということでいろんな層の人たちに伝えられる。それがフェスティバルの素晴らしいところですから。

一方で、日本は、カメラや印刷の技術は世界でも一流なのに、写真やアート作品では世界における立ち位置を確立できていないので、日本の写真文化を盛り上げていきたいとも思っていたこともあります。アーティストが食べていけない国ではダメだと。もともと私たちは二人ともアーティストなので、アーティストの立場で何をしてもらいたいか、ということにフォーカスしました。いずれにしても、日本を変えたいという気持ちからです。

KYOTOGRAPHIE 2017展示風景 スーザン・バーネット《Not In Your Face》元・新風館

—多くのアートフェスティバルは地域活性のために存在します。その点では、これまでにない発想でのスタートですね。

仲西:私たちは町おこしではなく、アーティストや社会のためにやっています。そもそも京都という町は、日本が誇る観光地。町おこしなんてしてほしいと思ってませんから(笑)。

そもそも、目的を持たないフェスティバルは続かないんです。まずはアーティストのため。海外の写真祭・美術館・ギャラリーで紹介されたりと、フェスティバル参加の意義を見出していける。

—海外に、ベンチマーク的な存在はあったのですか?

仲西:街全体を使って、歴史的遺産や使われなくなった建物などで写真を見せるという点では、アルル国際写真祭の存在がありました。

—KYOTOGRAPHIEの場合は、古都の強みを生かして、寺社仏閣や町家に展示しているのが大きな特徴でもあり、魅力でもありますよね。

仲西:写真祭と銘打っているものの、ただ写真を見せるだけではなく、同時に日本文化の発信もしています。生活空間である町家や寺社仏閣を使って、日本人の精神性や美意識も同時発信し、日本の職人の伝統技術や最先端企業の最新技術のショーケースにもなりうる。欧米の写真家と日本文化がコラボレーションして、新しいものが生まれたりするわけです。

—準備期間はどれくらいあったんですか?

仲西:いま考えると自分たちでもびっくりしますが、第1回目は使命感に駆られてたった半年で立ち上げたんです。

高台寺塔頭 圓徳院に展示された細江英公の作品(KYOTOGRAPHIE 2013)

スポンサー企業との蜜月関係の作り方

—フェスティバルには莫大な資金が必要です。通常は国や地方自治体などからの予算が当てられますが、KYOTOGRAPHIEは完全に個人のお二人が主催。財政面はどのようにして乗り越えたんでしょうか。

仲西:まずは相談に行ったCHANELの代表であるリシャール・コラスさんが思いに感銘してくださり、サイレントスポンサーとして、少し資金を出すと言ってくれました。連名での協賛をしないCHANELが最終的には名前を出すことを承諾してくれたことが信用につながり他のスポンサーも参加してくれたので、この采配は大きかったです。

—近年では、メセナという言葉もなりを潜めて、スポンサーはダイレクトな効果、しかも数値的な効果を求める傾向があります。スポンサーには、どんなメリットを提示できるのでしょうか。

仲西:私たちは、スポンサーをお金を出してもらうだけの相手とは考えていません。企業のメッセージを伝えるような作品展を一緒につくっていきたいし、技術を披露する場として活用していただきたい。

たとえば昨年参加したフランス人作家のラファエル・ダラポルタの展示では、SONY PCLが4KのLEDモニターを協賛してくださいました。もともと平面で使用するものを、作品の性質上アールに組みたいとお願いしたら、一緒にチャレンジして実現していただけた。こうやって、コラボレーションしながら互いにハードルをクリアしていけるのが、目指すスポンサードのひとつの形です。

KYOTOGRAPHIE 2017展示風景 ラファエル・ダラポルタ《ショーヴェ洞窟》京都文化博物館別館1階

—企業を巻き込んでいくわけですね。

仲西:そもそも私たちが社会をよくしていきたいという思いに共感し、同じような企業責任を持っていきたいと考えている企業が、私たちのパートナーとなってくださるんです。だからこそ、スポンサーの企業と企業同士がKYOTOGRAPHIEが縁でつながり、新しいビジネスが始まることもあります。

たとえば、サスティナブルな社会をつくるという点で意気投合したBMWとNespressoがつながって他のイベントに発展したり。こうして、各企業がお得意先に自分たちの活動をCSRとしてアピールしていける機会になっているんです。

—たくさんのユニークな事例が生まれているんですね。

仲西:KYOTOGRAPHIEは、みなさんに考えるきっかけを与えるメディアとして立ち上がったフェスティバルです。私たちも、企業もアーティストも観客も、みんなが未来に向かって成長し合える場にしたいんです。

 

地方行政+招聘されたプロのアートプロデューサーというのが、多くのアートフェスティバルの定型ですが、KYOTOGRAPHIEはまったく異なる方程式でやってきた。その成功の秘訣はなんだったのか、そして今後はどのような展開を目論んでいるのかをトークイベントでは詳細にお聞きしたいと思います。

タイトル KYOTOGRAPHIEが目指す、 アーティストと企業が幸せになれるフェスティバル
日程 2018年1月17日(水) 17:00〜18:30
会場 amana square
料金 2,500円
定員 72名
申込締切 2018年1月17日(水)

登壇者紹介

写真家/照明家 ルシール・レイボーズ&仲西祐介

写真家、照明家としてそれぞれ国際的に活躍。2013年より「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」を立ち上げ主催する。

トップビジュアル:荒木経惟《机上の愛》KYOTOGRAPHIE 2017 両足院(建仁寺内)

2017/12/25

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