ヒト・コト・ミライが交差する
リアルプレイス │ エイチ

ト・ト・ミライが交差する
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REPORT

読者に愛されるための
これからのウェブメディア

2006年の設立以来、日本のカルチャーウェブメディアの先駆けとして支持を集めてきた「CINRA.NET」。運営するCINRA, Inc.は独自のネットワークやコミュニケーション力を最大限に活かして、従来のメディアの枠に収まらない事業展開を見せている。発足当初からCINRA.NETを率いてきた柏井万作編集長に、多岐にわたる制作実績を振り返っていただき、メディアにおける読者とクライアント、そして編集者の三者のニーズを満たすクリエイティブのつくり方を伺いました。


カルチャーメディアの旗手CINRAって?

星本和容(『MilK JAPON』編集長/以下、星本):はじめに、柏井さんの自己紹介からお願いします。

「CINRA.NET」の柏井万作編集長(右)と『MilK JAPON』の星本和容編集長

柏井万作(以下、柏井):1981年生まれなので、いま37歳です。学生時代バンドマンをやっていました。ことの発端は、大学のころに小学生から付き合いのあった後輩の杉浦太一(現、株式会社CINRA代表取締役社長)に「『CINRA』ってウェブメディアをやらないか」と持ちかけられたのがきっかけです。大学生時代はサークル的な感じで始め、大学卒業して1年が経った2006年に会社として立ち上げるに至ります。以来ずっと「CINRA.NET」の編集長を務めています。CINRA.NETは月間で約300万人の方々にご覧いただいている、カルチャーメディアです。

音楽やメディア、アートや演劇などの情報を日々発信しています。コンテンツは大きく分けると「ニュース」と「特集」。「ニュース」は1日20本程度、「特集」は基本的にPRコンテンツで、企業さんから広告費をいただきながら記事広告を1日1〜3本くらいつくっています。ここ1年で企業広告以外にも、自分たちのコラム記事やオピニオンがはっきり示された記事づくりも始まりました。「ニュース」「特集」「オピニオン」と、大きく3つの軸で記事を更新しています。

僕らが特殊なのは、編集が営業も兼ねるスタイルです。編集者がクライアントさんと直接お話することで、数字として結果が見えてしまうウェブでも、良い記事がご提案できると思うんです。営業と編集が分かれる記事づくりになると、どうしても良い企画が出てこなかったりするんですよね。

星本:一目で広告だと分かってしまうPR記事ってあまり読まれないですよね。

柏井:おもしろい記事づくりをしながら企業さんのメッセージをちゃんと入れ、なおかつ企業さんと読者と編集部の三者がおもしろいと思えるものをつくることを心がけています。

タレント記事ではなく、“新しい発見”のある記事が響く時代

星本:では、どのように読者から支持されるコンテンツをつくっているのか、教えてください。

柏井:カルチャーメディアなので、映画界を代表する北野武さん、音楽界を代表する坂本龍一さんなど、各ジャンルの代表的な方をたくさん取材してきていて、そういった方々の記事はすごくアクセスが取れます。それでもやっぱりCINRA.NETの特徴は谷川俊太郎さんとDECO*27(デコ・ニーナ)さんというボーカロイドのプロデューサーの対談のように、異色の組み合わせで企画を立てられることです。普段出会わない人たちが出会うような記事をつくって、読者にも知らないものを経験していただき、「『CINRA.NET』の記事を読むと発見がある」と言っていただけることを目指しています。

だから有名な方がたくさん出ていらっしゃる一方で、Suchmosのマネージャーさんや「DASH村」のプロデューサーさんのような“すごい裏方”さんの記事も豊富に用意しています。「DASH村」のプロデューサーさんの記事は、50万PVを超えてしまうほどの人気。個人の名前が大きくなくても、おもしろいものをつくれば響く時代になったように感じますね。

タジリケイスケ(「H」編集長/以下、タジリ):昔はタレントを出せば、ある程度結果が出ていたのでしょうか?

柏井:著名人の記事が好きなだけ読める喜びが、雑誌からウェブに移行しはじめた時期にはあったと思うんです。雑誌で買わないと読めなかった記事がウェブで無料で読めるようになって。ただ、それもかなり飽和し、ネームバリューだけではアクセスを取りづらい時代にはなりました。媒体としての個性にもなる、記事のテーマはかなり重要です。

 

検索されるワードと、SNS映えするキャッチコピーは違う

星本:これからはSNSやウェブだけやっていけばいいという話しではないと思います。CINRA.NETでは、Facebookやツイッターなど掲載先に合わせて記事タイトルを変えているそうですね。

柏井:記事には、通常のタイトルとSNS文言のふたつを打っています。いまは記事への流入は検索かSNSかの2択に限られますが、検索はほとんどタイトルだけで判断されてしまいます。昔はSNSにも検索にも選ばれる30文字以内のタイトルを考えるようにしていたのですが、分けるべきという結論に至りました。

北野さんの記事の場合、「『暴力の時代』を北野武が語る」なのか「北野武が語る『暴力の時代』」なのかによって検索のインデックスに出て来たときに反応が異なります。多くの方が「北野武」で検索するので、頭に「北野武」があった方が絶対にクリック率が高いんですよね。

SNSの場合は、引きのあるキャッチをどうするかを考えています。北野さんの場合は、「北野武」という名前が十分キャッチーですね。でも、例えばSuchmosのマネージャーさんの場合、彼の名前は一般の人は知りませんので、前に引きになる文言やテーマを置くことで、SNSのタイムラインで目をとめてもらわなければいけません。

星本:なるほど。『MilK JAPON』でも参考にさせていただこうと思います。SEO対策の一環として記事のタイトルも日々試行錯誤を重ねているのですが、タイトルを変えただけで検索評価が上がったりして、サイト改修よりもタイトルをしっかりつくり込むことの方がはるかに重要だと実感しています。良いコンテンツをつくっただけでは届かないので、気付いてもらう導線をこちらが設計することが必要ですよね。

 

「編集視点」のイベント企画で、立体的なビジネスモデルを

星本:ではコンテンツの話から、ビジネスモデルの話に移りましょう。私は2年間、編集長として『MilK JAPON』というメディアを発行しながら、いかにマネタイズするのかを考えてきましたが、メディア運営の難しさも見えてきました。13年間継続し、いまや社員数が60人を超える強さを持つCINRAさんのビジネスモデルをひも解いていきたいと思います。

柏井:CINRA.NETの新たな主軸のひとつが、昨年から意識的に実施しているリアルイベントです。カルチャーメディアとして記事広告モデルを確立した次の段階として、ビジネスモデルを多方面に展開していく必要性がありました。そこで「CROSSING CARNIVAL」という音楽フェスをつくったんです。

音楽フェスが乱立するなか、いまさらCINRA.NETがやっても仕方がないという意見もあります。しかし、音楽系の雑誌メディアが音楽フェスをつくるビジネスモデルで成功しているなか、リアルイベントをビジネスモデルの軸にできているウェブメディアはほとんど存在しません。だから、CINRA.NETがウェブメディアによるイベント型ビジネスモデルのパイオニアになれたらと考えました。

僕らが音楽フェスをやる意味として、「編集視点」のイベントを目指しました。例えばCharaさんと韻シストBANDさんのコラボレーションや、GRAPEVINEさんのライブに康本雅子さんというダンサーを当てるなど、CINRA.NETにしかできないラインナップで独自性を打ち出せるよう心がけました。

星本:音楽フェスの主催者として後発のCINRA.NETがイベントをつくるうえで、編集視点を取り入れた制作はブランディングの観点から見ても素晴らしいですね。

タジリ:容易に組み合わせられるとは思えないようなコラボレーションが多々ありますが、これを実現できるのも13年間積み重ねたアーティストとの関係性があるからこそなのでしょうか?

柏井:関係値がないとできないイベントをつくれたらと思っています。10年以上前から「exPoP!!!!!」というライブイベントを毎月無料で開催していますが、当初は無名だったSEKAI NO OWARIやSuchmos、cero、indigo la Endなども、いまやみんなすごいことになっている。長く付き合ってきた関係性があるからこそ、できることもあるのではと考えています。

音楽に限らずアートや映画、演劇を体験していただく「NEWTOWN」という大人の文化祭的なイベントも昨年から始めました。多摩ニュータウンにある元小学校の廃校舎を借り切って、無料の文化祭を開く企画です。

モノ消費からコト消費が主流になったと昨今よく言われています。情報を単純に記事で伝えるだけではなく、何かを体験していただいて、SNSで発信していただくというところまで設計されたPR企画がやりたいとよくクライアントさんからご要望をいただきます。CINRA.NETの場合、記事そしてイベントをつくり、その後にリポート記事を配信、お客さんもイベントの模様をSNSで発信してくれる。そんな一気通貫モデルのPRイベントづくりも増えてきています。

星本:クライアントさんもCINRA.NETに頼むのだから、ほかとは違うものを期待されていたのだと思います。差別化がしっかりとなされていますよね。

柏井:社会的に必要性がある「ソーシャルグッド」なものでPRする必要性を理解していただけたのでしょう。本当に良いものをつくれば響くことを認識していただく。クライアントさんも本気でおもしろさを追求してくださり、提案を重ねるなかで一緒に企画を精査・改良していきました。

タジリ:“おもしろさ”という曖昧な価値観が先ほどから出ていますが、編集部員のなかで共有されている価値基準があるのでしょうか?

柏井:ひとつは「読者に新しい発見をしてもらいたい」ということ。カルチャーメディアにありがちなのが、アートならアートファンに向けて、音楽なら音楽ファンに向けての記事づくり。しかし、それだけでは専門メディア化してしまい、詳しくない人には読みづらい記事になってしまいます。われわれは、誰でも読めて、なおかつ深い記事をつくることをとにかく意識しています。読者が興味のなかったところから“新しい発見”を得られるメディアになりたいんです。あとは、「行動する意欲が湧くようなメディアである」ことですね。

他にも会社のコンセプトとして「多様性と寛容性」があります。カルチャーメディアはそもそも多様なものであるはずですが、いろんなことを認めたり、思いやりを持ってもらえたりするような記事になることを目指しています。

このようにこだわってコンテンツをつくっているのに、編集者の評価基準がPV数だけになってしまってはなんの意味もありません。だからわれわれの場合は「EXPT(体験時間)」といって、どれだけの時間その記事が読まれているかで評価をしています。例えば、エロ的な記事なら容易に100万PVに達することができるのですが、平均ページ滞在時間は5秒程度。一方、3万PVでも平均滞在時間が3分程度ある記事の方が読者の記憶に残るでしょう。総閲覧時間になおすとどちらもおよそ500万秒ですが、僕らは後者の記事を評価します。

 

”自分らしく生きる”女性のためのウェブコミュニティを実現した「She is」

星本:メディアの新しいビジネスモデルとしても最近注目度が高まっているコミュニティメディア「She is(シーイズ)」についてもお聞かせください。

柏井:She isは、女性の多様な生き方を探ったり、悩みを共有できたりする、開始1年の新しいメディア兼コミュニティです。CINRAで編集者、ディレクターとして勤めていた女性2名がShe isを立ち上げたいと会社にプレゼンしてくれたのが出発点でした。毎月3500円の費用をいただいてギフトを届けるというサブスクリプション型のビジネスモデルがShe isの特徴のひとつです。

星本:She isのなかに「ガールフレンド」と呼ばれる表現者たちが登録されていますが、さすがの顔ぶれですね。10代から40代まで、そうそうたる女性のオピニオンリーダーの方々が並んでいらっしゃる。

柏井:1周年記念のタイミングで「ガールフレンド」の方々が応援コメントを寄せてくださるほど愛されるメディアに成長している様子を見て、僕はCINRA.NET編集長として正直悔しかったですね(笑)。

She isのようなコミュニティづくりは大切です。人と人がつながって助け合うことはいつの時代も重要でした。インターネットがあるこれからも同様です。CINRA.NETはカルチャー全般を紹介する発信型メディアですが、読者と双方向のコミュニケーションが生まれるカルチャーコミュニティとしても、もっと深いものをつくってみたいという想いがあります。

CINRA.NETを10年やってきて広告モデルでやりやすさを感じる一方、She isのようにサブスクリプションモデルをつくり、価値を見いだしてくれる人だけに向けたメディアを試してみたいという想いも社内にありました。

タジリ:「ガールフレンド」をコミュニティにお誘いする手順も凝ったやり方でしたよね?

柏井:「ガールフレンド」一人ひとりに告白をするように手書きで手紙を書いて、送ったようです。10年以上ウェブメディアを経験してきましたが、“エモーション”が意外と大事なのだと気付きました。想いのこもった話を記事にすると、読者にも伝わるんですよね。そんな記事をつくるためには、「ガールフレンド」の方々にわれわれの想いをいかに伝えるかが重要です。

星本:月額3500円払う読者は「このメディアを、私たちが支えたい!」という想いを持っているはずです。昔ながらの単なる定期購読モデルではなく、もっとコミットできるもの。これこそ、いまの時代に合ったメディアの在り方だと思います。

柏井:メディアというとたくさんの読者数を抱えなければいけないと思われがちですが、実際にいまの時代のメディアに大事なのはコミットするコアな読者数がどれだけいるのかだと思います。フォロワー数が多くても、「いいね」が付かないSNSアカウントはたくさんありますが、She isはインスタグラムアカウントのエンゲージメント率も高いです。

 

企業・メディア・アーティストが幸せになるビジネスの形

柏井:メディア自体の企画・運営の他に、「CINRA.STORE」といって、アーティストさんとモノづくりをしながら販売し、利益を得ていくというECメディアモデルも行っています。

星本:まさにここでしか手に入らない、CINRAならではの編集が利いたモノがそろっていますね。

柏井:ほとんどを受注生産しているので、一つひとつの商品の売れ方が大きくなくても、幅広いラインナップをつくれるので、毎月の売り上げは安定しています。

星本:昔のようにバイヤーの勘だけに頼って大量に仕入れるのではなく、受注した分だけ生産するということもでき、効率が良いですね。

星本:ECビジネスからの流れで、「企業とメディアの関係」についてもお話を伺いたいと思います。CINRA.NETは記事広告モデルにリアルイベントを組み合わせながらやっていますよね。昔のように雑誌のページに広告を入れるやり方は少なくなっているので出版社は苦戦していると思いますが、CINRA.NETではどんな取り組みをなさっているのでしょうか?

柏井:ルミネ池袋さんのキャンペーンに協力した事例を引き合いにお話しましょう。アーティストのCharisma.comをキャスティングし、彼らとのつながりの深さを生かして、キャンペーンテーマに合わせて夜をアクティブに楽しむイメージの音楽をつくっていただきながらポスターや広告制作などビジュアルの方向性を策定していきました。公開後には、CINRA.NETでも記事を制作し、掲載しています。

星本:曲づくりからはじまるのがCINRA的ですよね。広告代理店発注でCMソングをつくるモデルは以前からありましたが、直接アーティストと組んでつくる曲はやはり全然違います。CMソングはCMソングでしかない気がしますが、今回のものは曲としての完成度も高く、PR色が強過ぎない。それが時代にも合っていますし、CINRAならではですよね。

タジリ:レコード会社さんとはどんな話を交わしたのですか?

柏井:代理店さんから相談するより、マネジメント企業さんとも直接つながりがある僕らからの声かけの方がお互いやりやすいことも多いのかなと思いますね。業界の共通言語で喋れると何かと利点が多いです。直接クライアントさんとやるプロジェクトは増えていますね。

星本:企業にはメディアをうまくハブとして使ってほしいですね。

柏井:僕らもそういう動きは得意で、アーティストさんにしても、自分たちのためになることならギャランティーの金額だけの話ではなくなります。そういう部分をメディアの人間はある程度理解できていると思うので、クライアントさんにも、CINRAと一緒につくることでのコスパの良さや内容の良さに期待していただけます。

 

メディア in メディアで、ファンと世界観を有効に共有

柏井:CINRA.NETのなかに「Fika」というスウェーデンの自動車メーカー、VOLVOさんのオウンドメディアを開設しました。Fikaは北欧のカルチャーを紹介するメディアで、オリジナル記事を毎月4〜6本発信しています。

いままで企業のオウンドメディアのお手伝いをすることは多くありましたが、新しいメディアを立ち上げて評価されるまでには時間もお金もかかります。とうことで、CINRA.NET内でオウンドメディアを運用した方が、SEO評価やSNSでのインプレッション数も高まり、アクセス数が伸びるという「メディア in メディア」の形を提案したんです。

星本:数年前にいわゆるオウンドメディアブームがありましたが、柏井さんのおっしゃる通り続けるのがすごく大変。コストもかかり、かつSNSの運用もしなければならないのでクライアント側にも担当人員は6名程度は確保していただきたい。しかし、実際は人員もコストも割けない。そうしてオウンドメディア熱が下火になったいまこそ、Fikaのような事例はすごく幸せな形ですね。

タジリ:CINRA.NETがあり、そのなかにFikaもある。世界観のコントロールはどうしているのでしょうか?

柏井:さすがにCINRA.NET内につくるメディアは僕らの発信する文脈上になければいけません。VOLVOさんからのオーダーがもしも「クルマのメディア」だったらCINRA.NET内には開設できませんでした。Fikaはあくまで北欧カルチャーの魅力やクラフトマンシップなどを伝えるメディアということで、CINRA.NETの読者層と親和性が取れています。

タジリ:記事そのものは良いものがつくれても、読者を呼ぶ導線がつくれなかったりすることがオウンドメディアの問題です。Fikaの例はそんな問題の特効薬ですね。

柏井:クライアントさんは当初からVOLVOの名を前面に押し出す気はなかったようです。ヘッダー部分にスポンサード表記があればいいといった程度で。

タジリ:自社ブランドの打ち出し方が変わってきているのですね。企業側からすると、その塩梅が悩ましいところだと思います。

柏井:場所によって、打ち出し方を考える必要がありますよね。例えば、ある商品のおいしさを「おいしいですよ!」とストレートに伝えるのは、スーパーマーケットでやればいい。ウェブメディアで行うべきコミュニケーションは、まずはブランドを知って、興味を持っていただくこと。この小さな経験が積もり積もって、最終的に購買につながるように思います。

星本:『MilK JAPON』の基本ユーザーであるママ層はスマートフォンを駆使して知識が豊富なので、PR記事などで性能を語っても彼女たちには響かない。Fikaを例に挙げれば、「北欧のライフスタイルが素敵で、それに合う車は『VOLVO』だ」という思考の流れを生むことがオウンドメディアの果たすべき役割なのではないでしょうか。

 

CINRAは海外へ、そして未来へ

柏井:CINRAではいま「HereNow」というアジアのシティガイドをつくっています。内容は渡航客向けのものから、日本から海外へ送客する目的のものまで多岐にわたります。特にいまは台湾のコンテンツが豊富です。

例えば、台湾の蔡英文総統が会長を務める「台湾文化総会」から依頼された「Taiwan Plus 2018 文化台湾」というイベントです。当日は総統直々にツイートをしてくださり、テレビの取材なども来て、約5万人を動員する一大イベントとすることができました。

東京2020オリンピックに向けて、スポーツに限らずカルチャーを盛り上げようとする機運が日本でも高まっていますが、カルチャーを軸にすると一気に国境を跳び越えられる感覚がありますよね。

「SNS展 #もしもSNSがなかったら」はSNSの価値を改めて考えてみるイベントですが、LINE MOBILEさんがクライアントでした。美術展のような形で、さまざまなアーティストに作品をつくっていただきました。「#もしもSNSがなかったら」ハッシュタグがバズって、ツイートが3000件以上あり、SNSでの反応も芳しかったですね。

タジリ:展覧会のアイデアはCINRAからですか?

柏井:はい。こういう美術館的なイベントって人が意外と集まりやすいんですよ。期間も長いのでだんだん話題になって、さらに人が足を運ぶ。そういう流れがつくりやすいのが展覧会のメリットです。

星本:企業と組むなかで、ご自身のこれまでのキャリアを還元するようなセミナーなどの開催も考えていますか?

柏井:セミナーや講座もですが、CINRAでは教育分野も頑張っていこうとしているので、最近は代表の杉浦が海外の教育機関を回ったりしています。CINRA.NETとしても、メディアで学んだ知識や得たネットワークを社会に還元しようと思うと、教育的なものに関わりたいという想いは強いです。教育を通じて若者のクリエイティビティーを刺激できれば、より良い社会ができるし、カルチャーももっと盛り上がるはずだと考えています。10年来メディアとしてカルチャーを取り上げてきましたが、次の10年は、カルチャーをつくる人をつくるという意味でも、教育にも注力していきたいと思っています。

Photographs by Honami Kawai
Text by Ryo Inao

2018/11/20

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